弘前大学出版会
【ss012】旧制弘前高等学校史
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1950年、わが国の教育制度の改革により廃止された旧制高等学校は、教育史に残る特色ある学校であった。全国に32校あった中の1つ弘前高等学校は、わが国最北にあった官立高等学校で、30年の間に四千七百余名の卒業生を世に送った。旧制弘高同窓会が編集した本書は、「学校と寮の歴史」「恩師と教育」「同窓会略史」「卒業生名鑑」の四部からなる。内容は、これまで同窓会が公にしてきた書物、会報等に掲載された文章を中心に編集したほか、三編の新稿が加えられている。すべて同窓生及び一部教授の筆になるものである。「卒業生名鑑」は、弘高卒業生全員の出身中学、進学大学と学部・学科、社会活動についてまとめられている。生徒同士の切磋琢磨と、恩師と生徒との信頼と心の交流の示されたいわば生きた学校史としての本書は、国の将来を左右するといわれる教育についての大きな示唆となるものといえよう。