弘前大学生協について

理事長挨拶

理事長画像弘前大学生活協同組合
理事長 一條 健司

弘前大学に入学し、弘大生協の学生組合員になっていただいた皆様、弘前大学に勤務され、弘大生協の教職員組合員になっていただいた皆様、その皆様の出資金が、弘大生協の第1の屋台骨です。

すなわち組合員一人ひとりが利用者でありつつ経営者であります。普段、食堂や売店を利用していると利用者としての意識が強くなり、経営者としての意識が薄れてしまうかも知れません。実は私もそんなひとりです。利用者目線に加え、改めて経営者目線も意識いただけますと幸いです。

弘大生協を、数多ある職場の中から選んでいただき、組合員でありつつ日常的な運営を担っていただいている生協職員の皆様、組合員として第1の屋台骨を支えながらの皆様の日々の運営活動が、弘大生協の第2の屋台骨です。

日頃の運営業務に忙殺されてしまうと、利用者と経営者の双方の意識が薄れてしまうかも知れません。どうか一休みして深呼吸し、改めてその両方の意識を再確認いただけますと幸いです。

弘大生協は、弘前大学に関わる人々のキャンパスライフの中で生じる「願い」を「協同」で実現することを理念とする組織です。この組織が成り立つためには、上記の2大屋台骨が欠かせません。これらを支えている全ての皆様へ、理事会を代表し敬意と感謝を表します。誠にありがとうございます。
※以降は、浅学なる私の拙い長文になります。お忙しい方には、上述した理事会からの敬意と感謝をお受け取りいただければ十分に存じます。

さて、私自身、大学生協/弘大生協という組織について普段じっくり考える機会がなかなかないので、この場をお借りして考えてみたいと思います。なお、あくまでも浅学なる者のひとつの考えである旨をご理解願います。

「願い」を「協同」で実現するという生協の理念のうち、まず「願い」について考えてみますと、「自分の欲する(このようにしたい)事柄」と解釈されます。これはごく自然に、主観的な事柄であると思います。

これを素直に、組合員の声をお寄せいただくための、一言カードに書いたとすると、

  • (A)「このようにしたいです」カード
となります。

そして一言カードボードに、カード(A)だけが貼られていると、神社の絵馬掛けみたいになってしまいます。

次に「協同」について考えてみますと、「みんなで心と力を合わせて事をなす」と解釈されます。すなわち、自分の心と力を伝え、相手の心と力を汲み取り、主観性と客観性のバランスをとりながら、グループにおいて能動的に行動することであると思います。

ここで、上述した「願い」と「協同」の解釈を組み合わせて、【「願い」を「協同」で実現する】ことを、【主観的グループ能動】と呼称してみます。そしてこれについて、【グループ】の対概念である【ソロ(単独)】を考えることはナンセンスと思いますが、【主観的】の対概念である【客観的】と、【能動】の対概念である【受動】を考えてみますと、次のように4つの呼称とそれぞれの解釈に整理できると思います。

  • (1)主観的グループ能動:このようにしたいと思い、だれかと共に行動する
  • (2)客観的グループ能動:そのようにしてあげたいと思い、だれかと共に行動する
  • (3)主観的グループ受動:このようにしたいと思いつつ、だれかの行動を待つ
  • (4)客観的グループ受動:そのようにしてあげたいと思いつつ、だれかの行動を待つ

これらのうち、(3)と(4)は受動的行動を含むことから、そもそも生協の理念にそぐわないものとなります。

一方、(1)と(2)はグループでの能動的行動を含むことから、生協の理念に合致します。これらの違いは、「願い」をごく自然な主観的な事柄(このようにしたい)として捉えるか、「願い」を意識的に客観的な事柄(そのようにしてあげたい)として捉えるか、にあります。

「協同」で実現したい「願い」として、『自分の願い(このようにしたい)』のみならず、『仲間の願いを叶えたいという願い(そのようにしてあげたい)』を持つことは、大学生協において大切なことではないかと思います。

では、これら(1)と(2)それぞれに対応する一言カードを考えてみます。すると、

  • (B)「このようにしたいので、こういうアイディアを試してみませんか」カード
  • (C)「~さんの要望のために、こういうアイディアを試してみませんか」カード
となると思います。

そして一言カードボードに、もちろん既出のカード(A)が貼ってあってもよいですが、それに加えてカード(B)や(C)も貼ってあると、神社ではなく、大学生協らしい様相となるのではないでしょうか。

「協同」で実現したい「願い」は、叶うに越したことはありません。ただし大学生協は、大学という能動的学びの場に関連する生協です。よって大学生協においては、叶った/叶わずの結果よりも、叶えようとアイディアを出す能動的なプロセス、すなわち能動的な学びに資するプロセスの方に大きな意義があると思います。

特に弘大生であり、かつ弘大生協の学生組合員である皆様には、弘前大学と同様に、弘大生協を身近に感じていただきたいと思います。

そして、広い視野に立ちつつ各々の専門分野を深く掘り下げるためのプラットフォームとして、弘前大学を日々活用していることに加えて、主観性と客観性のバランスをとりながら「願い」を「協同」で実現しようと能動的に行動するためのひとつのプラットフォームとして、ひいては社会人基礎力(前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力)の修得を深めるためのひとつのプラットフォームとして、弘大生協を気軽に遠慮なく活用いただくことを期待いたします。

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