弘前大学出版会
【ns045】弘大ブックレット No.8 ブナの森の湖沼群?白神山地・十二湖の水生生物を探る?
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十二湖は、白神山地のブナ林に散らばる31の湖沼の総称である。大きさや水の色、冬の結氷のようすなどが異なる湖はどれも個性的で、森の中の湖沼めぐりは四季それぞれに楽しい。本書は、20年以上にわたって学生たちと続けてきた、十二湖での野外調査の記録である。主役は、ミジンコやワムシなどのプランクトンや、水生昆虫、両生類,魚類など、水中で暮らす生物たちである。ミジンコやモリアオガエルが、小さな湖沼でしか見られないのはなぜか。ヨコエビが晩秋に堰を切ったように一斉に繁殖するのはなぜか。上流の湖沼に住むワカサギほど体が大きいのはなぜか。たくさんの問題を発見し、みずから解決に迫った。そこから見えてきたことは、森と水の深いつながりだった。十二湖の全湖沼について、深さや別名などの情報を掲載したほか、湖沼生物の変遷や水質の特徴、湖沼名の由来などにも触れ、十二湖のガイドブックとしての利用価値も高い。